彼女志願!
――――……
「ごめんなさい、我を忘れてしまって」
「面白いモチーフの宝庫でしたね。ここに先生を連れてきたのは正解でした」
「ありがとうございます。おかげさまで、なにかつかめそうな気がします」
帰り道、穂積さんの運転する車で、家まで送ってもらう。
車の中でも、私と穂積さんは、おしゃべりをやめない。
なんていうか。
穂積さんと出かけると、心がむき出しになるの。
アンテナがビンビンに張り巡らされて
気持ちいくらい、いろんなことが新鮮に映る。
これも全部穂積さんのおかげ。
穂積さんは本当にいろんなことを知っている。
私自身は学もないし、決して頭がいいとは言えないけれど
穂積さんは私にもわかる目線でいろんな話を聞かせてくれる。
ずっと、頭のいい人だとは思っていたけれど
こうやって二人で出かけるようになってより一層、私は心から彼のことを尊敬するようになっていた。