彼女志願!

胸の奥でぎゅうぎゅうと私の心を締めつけていた、色んな感情の結び目がゆるむ。



穂積さんって、変だ。


なんなのよ、もう……。

もうっ……!!



「ふふっ……」



怒りや悲しみを突き抜けると、人は笑ってしまうものなんだろうか。


悲劇は喜劇に通じるんだろうか。



吹き出した私を見て、穂積さんもにっこりと笑う。



結局思い知らされただけだった。


私はこの人が好きで

たとえずっとセフレがいるような、男として最低だって叫びたくなるようなこのひとのことを

心底嫌いにはなれないんだって。




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