彼女志願!
「今日はフレックスタイムで出勤です。はい、口を開けて」
「――」
穂積さんは、口を開けなければただではすまない、という雰囲気でじっと私を見つめている。
とりあえず彼の言うことを聞くしかないか……。
おそるおそる口を開けると、レンゲの先が唇の中にそっと差し込まれた。
こくん、と飲み込むと、穂積さんが少しほっとしたように頬を緩める。
そうやって、小さい土鍋に半分くらいのおかゆを食べると、数日食べていなかったせいか、ものすごくおなかがいっぱいになった。
「おなかいっぱいです」
「本当に?」
「はい」
っていうかすごく甘やかされてるような……。
なんだかモゾモゾする。