彼女志願!

首を横に振る。



好きな人にキスしたい

好きな人の体にふれたい

好きな人の気持ちよさそうな顔をもっと見たいって

そんなに不自然なことだろうか。



「したいから、したんですっ……」



わからない穂積さんじゃないはずなのに。

どうしてそんなことを聞くんだろう。



「気持ちよくなかったですか……?」



泣くのを我慢して顔をあげると、穂積さんは眼鏡を中指で押し上げ、またなんともいえない、複雑な表情をした。



< 272 / 648 >

この作品をシェア

pagetop