彼女志願!
大人を信じるな
そして季節は冬……師走になり。
今年は例年よりも寒いとかで、窓の外にはときおり、ちらほらと降る雪が見える。
「――だから、今年も仕事、あるから……」
『そんなこと言って……あんたもう何年帰ってないと思ってるの……』
「――」
『いいから、今年は帰ってきなさい。いい年して、夢みたいなこと追いかけて……あんたそれで一生食べていけるわけないでしょうが……女なんだから、お姉ちゃんたちみたいに結婚して――』
「――今忙しいから。切るね」
プチっと携帯を切って。
「ああーーーーっ!!!!」
大声で叫ぶ私。
それから持っていた携帯を、クッションに向かって思い切り投げつけた。