彼女志願!
全身の血がごうごうと音を立てて流れているのがわかる。
落ち着け……
落ち着くのよ、萌……。
こんなのいつものことじゃない。
本気で腹を立てても仕方ない。
どうせこの先わかりあえることなんか、ないんだから……!
「毎年のことだけど、荒れてるねぇ……」
ソファーで雑誌をめくっていたアキと、彼氏のツトム君が、仁王像と化した私を見て、肩をすくめる。
「はぁ、はぁ、はぁ……ご、ごめん、人様のおうちで、大声、出してっ……」