彼女志願!
毎年この時期は鬱エンドレスだ。
「萌の住んでるところって、結婚ずいぶん早いわけ? あんたまだ、23じゃん。学生なら社会人1年生だよ?」
「最近ではそうでもないけど……親戚とか近所とか、どんどん結婚していくから……
っていうか、一番の理由は、私の仕事が気に入らないから。やめさせたいんだよ。それしかない」
「うわぁ……」
アキが眉を八の字にして、ため息をついた。
「アキはご両親になんて言われてるの、作家って職業のこと」
「うちはなぁ……最初は普通に大学行って就職してくれって言われたけど……受験もしなかったしね。当時は勘当だって大騒ぎで。
だけど親戚の女の子に私の読者がいて、今の私の200%くらい水増しで誉めてくれたから、それから少し見る目がかわったかな。新刊が出たら買って、配ってるみたいだし……」