彼女志願!
終わった……。
この朗読。
いつものこととはいえ、本当に心臓に悪い。
「ありがとうございました」
頭を下げつつ。ゆっくりと息を吐く。
よし。
どうにか羞恥プレイな打ち合わせは終わった。
勇気を出すのよ。
今日こそ穂積さんをお誘いするって決めたじゃない。
このあと、お茶でも飲みませんかって!
「あの、穂積さ――」
顔をあげた瞬間
「穂積さん、柴田先生からお電話でーす!」
乱暴なノックと同時に応接間のドアが開き、アルバイトの男の子が顔をのぞかせる。