彼女志願!
唖然、呆然としている私をよそに、穂積さんは言葉を続けた。
「担当編集者として、先生のお力になれるのであれば」
「あ、あの……」
「確かに驚きましたが、今後、よりよい作品を作っていくためには最善かもしれません」
え、最善???
そして穂積さんは、かけていたセルフレームの眼鏡を外し、テーブルの上に置く。
えっと、あの、えっと……???
そして素顔になった穂積さんは、ソファーから降りて距離を縮め
クッションの上に座った私の目の前に、腰を下ろした。
そしてじっと私の目を見つめてくる。
初めて見た……穂積さんの素顔。