彼女志願!
ああ……
眠い。
上まぶたと下まぶたがくっつきそう。
大きな手が、私の肩を撫で、頬をなで、それからそっと体を抱き寄せる。
「――俺の物なのに……こんなになって……」
そして耳元で響く、低くて艶のある声。
「やっぱりそばに置いておかないと、気が気じゃない……」
その声は
きっと私以外には誰も聞こえないほどひそやかだったと思うけれど
けれど確かに私のささくれだった心を一瞬で落ち着けてしまう魔力があった。
「ほづみさ……」
「大丈夫です。もう、大丈夫」
その言葉に、ぶわっと涙があふれた。