彼女志願!
どういうことなんだろう。
ここにいるのは、少なくとも、私の知っている翡翠社の編集・穂積真一じゃない?
どうしてオーケーしたの?
本当に作品のため?
それとも、編集者だからオーケーした『ふり』なの?
わからない。
穂積さんが何を考えているのか――
「どうしますか?」
彼は涼やかに唇の両端を持ちあげ微笑んだ。
選択する権利はあなたにある、と言わんばかりに。
答え?
そんなの決まってる――
戸惑いや疑問を感じないわけじゃない。
だけど……
「知りたいです、穂積さん。私、穂積さんのことを、もっと、知りたい」