彼女志願!

どういうことなんだろう。


ここにいるのは、少なくとも、私の知っている翡翠社の編集・穂積真一じゃない?


どうしてオーケーしたの?

本当に作品のため?

それとも、編集者だからオーケーした『ふり』なの?


わからない。


穂積さんが何を考えているのか――




「どうしますか?」




彼は涼やかに唇の両端を持ちあげ微笑んだ。


選択する権利はあなたにある、と言わんばかりに。




答え?


そんなの決まってる――



戸惑いや疑問を感じないわけじゃない。


だけど……



「知りたいです、穂積さん。私、穂積さんのことを、もっと、知りたい」




< 37 / 648 >

この作品をシェア

pagetop