彼女志願!
穂積さんのことを知りたいです
私の言葉に、無言で目を細める穂積さん。
頬を指の背で撫で上げたかと思ったら
次は手のひらを置き、親指で唇の上をなぞる。
何度も、ゆっくりと唇の上を左右に動く親指。
ビリビリ、しびれちゃう……。
唇って
ごはん食べたり飲み物飲んだり
おしゃべりしたりするだけのものじゃないんだ……。
ただ触れられただけなのに、こんなふうに感じるものなんだ……。
ぼわーっと穂積さんを見上げていたら。
「目が潤んでますね。これだけで気持ちいいんですか?」
その妖しい微笑と、声に
背筋がゾクゾクする。