彼女志願!

「――」



ふらふらと部屋に戻り、ドッとソファーに倒れ込む。




穂積さんは私の問いかけから逃げた。


たまたまそういうタイミングだったのかもしれないけど。

やっぱりわざと……なんだろう。



じゃあどういうつもりで私の押し掛け彼女を了解したの?



穂積さんが口にした

『担当編集者として、先生のお力になれるのであれば』

『今後、よりよい作品を作っていくためには最善かもしれません』

という言葉が頭から離れない。



だけど私は万年初版作家。


穂積さんが自分を犠牲にしてつきあうほどの相手だとは思えない。

もちろん彼が私を女として好きだから付き合う、なんていうのは絶対にありえないから――

とすると、やっぱり、からかわれたって思うのが妥当なのかな。



そうなのかな……。



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