彼女志願!
長い指が私の首筋をもむように撫でる。
「萌……」
甘く名前を囁かれて。
引き寄せられるがまま、彼の眼鏡を外し、頬を両手で挟み、唇を頬に押し付けた。
「好きです、穂積さん」
唇が離れた瞬間に、そうささやいた。
言わなくちゃいけない、そう本能で感じていたのかも。
「僕もです」
穂積さんはうなずき、どんどん熱を持ち始める私の体を引き寄せる。
ソファーの上で、蛇の恋人たちのように絡み合いながら、もうこれ以上穂積さんが思い悩むようなことがありませんように、と祈る。