彼女志願!

けれど私の願いはかなわなかった。





八月に入ってすぐ、穂積さんのおばあ様が亡くなったという連絡が入り、穂積さんは結局帰らざるをえない状況になってしまったんだ。



そして「三日で帰ってきます」と約束した穂積さんが

五日たっても、一週間たっても帰ってこない。




もう、限界だった。





「――で、あんた乗り込んじゃうってわけ?」

「だって、心配なんだもん! 携帯も繋がらないし!!」



小さ目のスーツケースに数日分の着替えやらなんやらを詰め込んで、私はアキと、ツトム君に見送られ、新幹線の改札口に立っていた。



< 452 / 648 >

この作品をシェア

pagetop