彼女志願!
非常に作家心をくすぐられるシチュエーションなんだもの。
アキだって同じこと考えて当然よ。
ごめんなさい、穂積さん。
妙なこと考えて。許してください……。
心の中で謝罪しつつ、首を横に振った。
「時は現代よ、いくら地主だからってそんなことあるわけないでしょ?」
「そうかなぁ~何にしろ作家心をくすぐられちゃうわ。締切さえなかったらあたしも一緒に行ったのに~」
と、身もだえするアキ。
もう、そんな遠足じゃないんだから。
「じゃあ行ってくるね。見送りありがとう」
「写真いっぱい撮ってきてね! 見せてね! お土産話楽しみにしてるからね! ほづみんによろしく~!」
最後までくやしがるアキと、それを止めるツトム君に手を振って、私は新幹線に乗り込んだ。