彼女志願!

「えっと……次は船、だよね」



手元のメモを見ながら、スーツケースを引いてタクシー乗り場へと向かう。


一人旅は意外に多いみたいで、リュックやボストンバッグを持った若い男女が、ちらほらと目に入る。



にしても暑いなぁ……。



ハンカチで額の汗を抑えつつ、タクシー待ちの列に並ぶ。



「ぱぱーままー!」

「走ったら転ぶわよぅ~!」



はつらつとした子供の声と

のんびりしたお母さんの声に、思わずにっこりしてしまった。





< 456 / 648 >

この作品をシェア

pagetop