彼女志願!
やっぱり世間は夏休みなんだなぁ……。
普段引きこもりがちな私だけれど
こういう日差しの眩しさや、肌を焦がす太陽の光をしっかりと覚えていて
リアルな季節感を描くことも大事にしなくちゃね。
そして、家族連れや恋人同士らしい旅人が、楽しそうに笑い合っているのを見ると、私も穂積さんとそういうことしたいなぁ、なんて思わずにはいられなかった。
「すみません、ここに行きたいんですけど」
そうやって時間をつぶしつつ、ようやく回ってきたタクシーの運転手さんにメモを差し出した瞬間
「――ねぇ、相乗りさせてくんない?」
いきなり背後から図々しい声がした。
はい……?