彼女志願!
切れ長のぱっちりとした二重瞼。すっと通った鼻筋。
唇は自然なピンク。
色が白いのと、グリーンのカラーコンタクトを入れているせいか
ビスクドールのようで日本人離れしている。
美少年大好きっこなアキが見たら「捕獲せよ!」と叫ぶに違いない、そんなきれいな男の子だった。
だけど――
「お前、東京から来たんだろ?」
動き出したタクシーの中で、彼は私をちらっと見て目を細める。
「ど、どうしてそれを!?」
「新幹線、一緒だったし」
「あ、そうなんだ……」
「で、神楽島に行く」
「そうだけど――」