彼女志願!

切れ長のぱっちりとした二重瞼。すっと通った鼻筋。

唇は自然なピンク。

色が白いのと、グリーンのカラーコンタクトを入れているせいか

ビスクドールのようで日本人離れしている。


美少年大好きっこなアキが見たら「捕獲せよ!」と叫ぶに違いない、そんなきれいな男の子だった。


だけど――


「お前、東京から来たんだろ?」


動き出したタクシーの中で、彼は私をちらっと見て目を細める。



「ど、どうしてそれを!?」

「新幹線、一緒だったし」

「あ、そうなんだ……」

「で、神楽島に行く」

「そうだけど――」




< 460 / 648 >

この作品をシェア

pagetop