彼女志願!
小さくうなずくと、彼は形のいい唇の端をにやりと持ち上げた。
なんだか妙にそわそわする。
落ち着かなかった。
「俺、ニイナ」
なのに彼は、ぽんぽんと言葉を続ける。
「ニーナ?」
「新見仁凪(にいみにいな)。ハタチ!」
「私、櫻井萌です。23です」
「ええ~年上~?」
明らかに甘く見られている感じにムッとしつつも
確かにノーメイクでデニムにTシャツという姿では、高校生くらいにしか見えないかも、なんて恥ずかしくなった。