彼女志願!

けれどその違和感の正体がつかめないまま夜は更けていく――





――――……




ユズさんの言うとおり、窓を開けて網戸にしているだけなのに、客間はとても涼しかった。



そよそよと吹く風からは、かすかに潮のにおいがする。



にしても、ずいぶん遠くまで勢いで来ちゃったなぁ……


穂積さん、私が神楽島まで来たって聞いたら、どう思うだろう。



お布団の中でごろごろと寝返りを打ちながら、天井を見上げる。




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