彼女志願!
そして翌朝。
ごはんにお味噌汁、出し巻き卵と焼き鮭という、素敵な朝ごはんを頂きながら、ユズさんに昨日、部屋の近くに来たかと問いかける。
「いいえ、行ってないわ。古い家だから、何もなくてもきしむのよ」
と、そっけない返事。
「――そう、ですか」
でも昨日のあれは、古い家だからきしむ、という音ではなかったんだけどなぁ――と思っても。
もくもくと、何事もなかったかのように上品に食事をすすめるユズさんにそれ以上重ねて問いかけることも出来ず、
私も朝ごはんを終了させることに意識を集中せざるを得ない。