彼女志願!
「――どうしてそう思うの?」
「18から東京に行くんだったらわかるんですけど、逆に18からここに来るって、やっぱりご家族の都合かなって」
「――」
ユズさんは無言で、私の言葉をきいている。
うつむいた頬に落ちる長いまつ毛の影が、目を引いた。
たおやかで、どこか陰のある美貌。
彼女のそんな雰囲気に、同性ながら心を惹かれる。
「あの、ユズさんは――」
「なあに?」
「いつからここに住んでいらっしゃるんですか?」