彼女志願!

思わず声をあげる私。

ざわめく広間。



「ユズさん!」



そう。なんと、ニーナと一緒に入って来たのは、ユズさんだったんだ。


彼女は、今朝着ていたものと同じ浴衣姿。


相変わらずきれいだけど、ニーナと言い争ったせいか、肩でぜえぜえと息をしているし、顔の横で編んだ髪が緩んでいる。


ニーナが連れてきたってことは。ユズさんが『ここにいるべき人』なの?



ということは、ユズさんもやっぱり関係者……!?

でも、自分はここには行かない、誰も喜ばないからって言ってたよねぇ……。


うむむ、と首をひねる私。


だけど私以上に驚いたのは広場のご親戚の皆様で……



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