彼女志願!
あ然とする私をよそに、
「お前、当主に向かってなんて口のきき方を!」
「温情で住まわしてもらっとったくせに!」
「まぁ、まぁ、待ってよ!」
今にもユズさんにつかみかかっていきそうなおじさんやら、おばさんを、間に入って食い止めているのはニーナくらい。
「穂積さん……っ」
焦りつつ、のんびり銀の煙管をくわえている穂積さんのそでをつんつん、と引っ張ると
「わかってますよ……」
彼は無表情のまま煙管を煙草盆に叩きつけた。
公明正大なる裁判官のように。
「静かに!」