彼女志願!

「遅れたりしなければいいんですがね」

「――」



穂積さん。

いつもと変わらないクールぶりだけど……。


どこか、無理しているようにも見える。



「穂積さん」



彼の腕に腕をからませ、それから額を押し付けた。



「電車、時間通りに来ますよ」

「――」

「だから大丈夫です」



私の大丈夫、という言葉に、彼の体の緊張が解けるのがわかった。



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