彼女志願!
そして。
アキと別れて、原稿が入った封筒を片手に翡翠社へと向かう。
原稿を渡すのって、郵送でももちろんいいんだけど。
持って行ったほうが早いし、なにより穂積さんに会えるし……ウフフ。
着流し姿の穂積さんも、鼻血が出そうなくらいかっこよかったけど、仕事中のスーツ姿の穂積さんは、私の原点というかなんというか、やっぱり大好きなんだよね。
スキップしたいのを抑えて、翡翠社側で穂積さんの社用携帯に電話をかける。
数コール後、電話は留守番電話に切り替わった。
他の電話にかかってるのかな……?
「鴻上です。今、原稿を持って行くところです。ちょうど翡翠社の下まで――」
留守番電話に吹き込んでいる最中で――
思わず我が目を疑う光景に出くわした。