彼女志願!
4年前、高校三年生の冬。
私は受験勉強の息抜きに小説を書き、雑誌に投稿した。
そして投稿したこと自体を忘れ
季節は春になり――
受験した大学に落ちて呆然としているときに、投稿した小説が佳作に入選したと連絡が来て……
連絡をくれた編集者と疑心暗鬼の中会うことになったんだ。
それが穂積真一(ほづみしんいち)さん。
中堅出版社である翡翠社(ひすいしゃ)の編集者。
私と初めて会ったころ、彼はまだ翡翠社に入社して一年と少しの若手編集者で。
そして私は高校を卒業したばかり。
進路も決まっていない宙ぶらりんの18歳で……。
今でもその時の様子を、鮮やかに思い出すことが出来る。