彼女志願!
「――穂積さん?」
「――白鳥先生です」
「――!!!!!」
白鳥紫子先生。
キャンディー文庫の御大、シリーズ累計1000万部という大御所作家で、穂積さんを大のお気に入りにしている、先生だ。
「――はい、穂積です」
穂積さんは、ビジネス用の顔に即座に戻り、電話に出る。
その変わり身の早さに舌を巻きつつも、いったい白鳥先生は何の用事があって、こんな夜中に電話をかけてきたのだろうと、ハラハラしつつ、穂積さんを見守った。
「――ええ……はい……」