彼女志願!
「じゃあ行ってきます。帰ってきたら、DVDでも観ましょう」
「はい……行ってらっしゃい」
うなずくと
「そんな顔をしないで。大丈夫だから」
さらに苦笑しつつ、私の頭をぽんぽんする。
こんな時だからこそなお優しい穂積さん。
彼の背中を見送りながら、ざわつく胸の上にそっと手のひらを乗せる。
私が怖いのは、キャンディー文庫にいられなくなることじゃない。
穂積さんが私のために何かを犠牲にするんじゃないかってこと。
それが怖いんだよ……。
私を守る。
穂積さんの言葉が、胸に突き刺さった。
『火サス風味続編・完結』
『昼ドラ風味続続編に、続く、かもしれないEND』