彼女志願!
「褒めてるんですよ。なにしろ俺がこういう男ですから」
苦笑した彼は、じいっと私の目を見つめる。
まっすぐに。
穂積さん……
そんな目で見つめられたら、苦しくなっちゃう。
あなたの気持ちをもっと知りたいって、叫びたくなる。
ただ見ているだけで幸せだったのに
あのころの自分にはもう戻れる気がしない。
だけど……
やっぱり無理があるよね、私が彼女なんて……。
とりあえず素直にごめんなさいと謝って
せめて今まで通り、編集者と担当作家の関係でいてもらえるようにお願いしよう。
「あの、穂積さんっ……」
「これからよろしくお願いします」
「へ……?」
よろしくお願いします……?