彼女志願!
意味がわからなくて首を傾げる私。
「――えっと……それって」
「確かにこの一週間、締め切りに忙殺されて優先順位が下がってましたが、先生のことを、完全に忘れていたわけではありません」
そういえば『ほとんど忘れてました』って言ったっけ。
ということは、ちょっぴりは気になってたってこと?
気にしてくれてたってことなの?
情けないかもしれないけど、嬉しい。
そして穂積さんは、私の目の端に浮かんだ涙を指でぬぐい、座り込んだ私の手を引いて立ち上がった。
「今度の休み、デートしましょうか」
穂積さんのさりげない発言に、耳がダンボになった。
でっ……デート!?
私の中ではもはや都市伝説と化していたデート!?