彼女志願!

結局、編集長が間に入り、白鳥先生はスタッフに取り囲まれて、その場からどこかへと連れて行かれる。


そして一人残された穂積さんは中指で眼鏡を押し上げると、近づいてきた他の社員から肩を叩かれたり、なにか軽口を言われているのか、励まされている雰囲気で、その後、白鳥先生とは別のドアから出て行ってしまった。



遠巻きにそれをちらちら見ていた作家たちは、いっせいに息を吐く。



「穂積さん、かわいそ~」

「でも、穂積さんらしくらしくないよね。先生のパーティーなのに、大事なときにいないなんてさ」


と、ささやきあっていた。



私と言えば、穂積さんのあとを追いかけたい気持ちでいっぱいで。


でも、そんなことが出来るはずもなく、ただぼうっきれみたいにその場に立ち尽くしていて……。



「大丈夫だと思うよ。御大、ちょっと拗ねてるだけだよきっと」

「あれが、拗ねてる?」



アキの言葉に衝撃を受ける私。




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