歩み続ければ
「おい、はーるか、一緒に帰らない?」
これでも勇気をふりしぼって言った台詞
本当最近彼女彼氏という自覚がお互いないな
だなんて思ったりもする
いや、思ってないなんていったら嘘になると
いったほうが正しいのだろうか

「あぁ、ごめん蓮。 私、用事があるから...」
---え?
俺はセミのぬけがらのような志向回路で精一杯
なぜ断られたのかかんがえていた

「ほんっとう、ごめんね!」
そういい、遥はダッシュで教室から去っていった

――-痛い

やっぱ、彼女に誘いを断られるとさすがにこたえる

新に『気にすんなって』とか言っておきながら
自分はバリバリ心配の塊で心はうめつくされていた



その後俺は近くにあるコンビ二で栄養ドリンクを買って
帰ろうと思った

「---ありがとうございましたー」
店員の気持ちも何もこもっていない言葉
今の俺にはそんなのどうでもよかった

コンビ二の自動ドアが開こうとしたとき
ゴミ捨て置き場の近くに楽しそうにはなす男女
その男女はコンビ二に入ろうとする

―――え!?

嘘だろ、アレ遥じゃないか---

俺はコンビ二の一番の隅っこまで早々とした足取りで
隠れた

さっきまで笑顔だった店員は怪しい顔つきで
こちらを伺う


「アハハ、本当!? うれしいなぁ」
遥の楽しそうな声

――-私、用事あるから

その時遥が言った台詞が頭をよぎる

用事って俺以外の男と会うことか?

俺、二股されているのか
いやいや、遥はそんなことするような奴じゃない

でも...

頭では、矛盾が繰り返されショックで一杯だった
心はもうずたぼろ

「最悪......」

遥は男の方にドリンクをおごってもらい
2人はコンビ二から去っていった



「俺、もうムリかもしれない」

そう言葉を吐きながら1人冷たい風の中家へ帰宅した

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