ガルドラ龍神伝―外伝章―
「武闘扇砂龍の舞!」


リタは思い切り扇を振り、砂煙を舞い上げる。


その砂は、青年の顔に命中した。


プリム講師は、その隙を見て青年の側から離れた。


「よし、先生が逃げた。


これで、心置きなく戦える」


ヨゼフは、青年の顔に槍を突きつける。


「答えろ。


ラノア族長とプリシラを、どこに連れて行った」


「さあ、俺は知らない。


その二人を返してほしければ、この世界を冒険してみるんだな。


じゃあな、おチビちゃん」


そう言うと青年は、ヨゼフの前から姿を消した。


「ちっ! 逃げられたか。


まあ、プリム先生が無事だったから、良かったけどね」


「ああ、でも後でちゃんと、先生と話をしないと」


「どういうこと?」


「あの男みたいな奴がまた来たらいけないから、今度は俺達から攻めようと思ってね」


「グラナダ……」


リタはしばらくの間、沈黙した。


(グラナダの言う通り、今度は私達から攻めるべきかもしれない。


父上やジオ、そしてフィブラスの国民達を救うためにも……)


リタは、ぼんやりとしていた。


ヨゼフが「早く行こうよ」と言った時、彼女は我に返る。


ミリフを先頭にして、四人は職員室に向かう。


「失礼します。


話がしたくて、来ました」


グラナダとミリフは、双子のように声を揃えて言った。
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