ガルドラ龍神伝―外伝章―
「あ、あった。
じゃあ、今から封印を解くよ。
リタ、呪文を言って」
「え、私が?」
「君以外に、誰がいる?」
リタは、一瞬沈黙した。
そういえば、五歳の頃に父上が魔族の封印を解く呪文を教えてくれたことがある、と彼女は思い出す。
「記憶が曖昧だけど、やってみるよ」
そう言うとリタは、九年前の記憶を当てにして、呪文を唱える。
「印(イン)・難(ナン)・練(レン)・宮(ミヤ)・砂(ジャ)……」
彼女は≪ガルドラ呪文≫と呼ばれる言葉を、適当に唱えた。
すると、グラナダがはめた石が橙色に輝き始めた。
続いて、緑色の石像も光を放つ。
「……鑑(カン)・難(ナン)・砂(ジャ)!」
リタはようやく、長い呪文を全部言えた。
すると今度は光と共に、弓矢を装備していて背がリタと一、二位を争うくらいの高さで、見た目は全身真っ黄色の狐のような姿の魔族の少年が現れた。
「ふう……。
やっと、封印が解けたぜ。
一時はどうなることかと思った」
狐は肩をトントンして、リタ達に話しかける。
「お前か? 俺の封印を解いてくれた魔族は。
ありがとな。
俺は梓族のロータス。お前達は?」
ロータスという名の狐姿の少年が、半ば傲慢な態度でリタ達に訪ねる。
彼女達はむっとしつつも、穏やかな態度で自己紹介をする。
じゃあ、今から封印を解くよ。
リタ、呪文を言って」
「え、私が?」
「君以外に、誰がいる?」
リタは、一瞬沈黙した。
そういえば、五歳の頃に父上が魔族の封印を解く呪文を教えてくれたことがある、と彼女は思い出す。
「記憶が曖昧だけど、やってみるよ」
そう言うとリタは、九年前の記憶を当てにして、呪文を唱える。
「印(イン)・難(ナン)・練(レン)・宮(ミヤ)・砂(ジャ)……」
彼女は≪ガルドラ呪文≫と呼ばれる言葉を、適当に唱えた。
すると、グラナダがはめた石が橙色に輝き始めた。
続いて、緑色の石像も光を放つ。
「……鑑(カン)・難(ナン)・砂(ジャ)!」
リタはようやく、長い呪文を全部言えた。
すると今度は光と共に、弓矢を装備していて背がリタと一、二位を争うくらいの高さで、見た目は全身真っ黄色の狐のような姿の魔族の少年が現れた。
「ふう……。
やっと、封印が解けたぜ。
一時はどうなることかと思った」
狐は肩をトントンして、リタ達に話しかける。
「お前か? 俺の封印を解いてくれた魔族は。
ありがとな。
俺は梓族のロータス。お前達は?」
ロータスという名の狐姿の少年が、半ば傲慢な態度でリタ達に訪ねる。
彼女達はむっとしつつも、穏やかな態度で自己紹介をする。