ガルドラ龍神伝―外伝章―
「私は砂龍族のリタ。
よろしく、ロータスさん」
(何だよ、この魔族は!
私達は初対面だ。ちょっとは弁えろ)
「俺はグラナダステイル・スタンダード。
長いから、グラナダで良いよ」
(こいつ、生意気だな!
まあ、ヨゼフよりはマシか)
二人は、本音を心の中にしまいつつ、ロータスに軽く挨拶した。
「リタって言ったかな?
お前、俺にさん付けしなくて良いから。
どちらかといえば、どの年代の魔族からも呼び捨てにされる質だし。
あー、まあ、そんなことは良いや。グラナダ」
ロータスは独り言のように言った。
その時の彼の表情も、リタと同じく、どこか寂しげだった。
「何だ?」
「お前に頼みがある」
「頼み? 何か捜し物か?」
「話がわかるじゃん。
俺がここに連れて来られる前、木立属の魔界メネシスで姉貴と梓族長老のじいちゃんと俺の三人で、平和に暮らしてたんだ。
でもある日、いつものようにじいちゃんに弓矢を使った魔法を教わってたら、突然街にグラサンした金髪兄ちゃんが来て、姉貴にうまい話をしてきた」
「どんなこと?」
「『アノデュース帝王と手を組めば、性能の良い弓矢を用意してやる』と奴は言ってきた。
昔から強い武器に目がない姉貴を、もちろん俺は止めた。
が、姉貴は聞かなかった。
そのせいで俺もじいちゃんもとばっちりを食らい、このざまだ」
ロータスの話を聴き、リタは自分も父上に同じことをしてしまったんだ、と深く反省する。
よろしく、ロータスさん」
(何だよ、この魔族は!
私達は初対面だ。ちょっとは弁えろ)
「俺はグラナダステイル・スタンダード。
長いから、グラナダで良いよ」
(こいつ、生意気だな!
まあ、ヨゼフよりはマシか)
二人は、本音を心の中にしまいつつ、ロータスに軽く挨拶した。
「リタって言ったかな?
お前、俺にさん付けしなくて良いから。
どちらかといえば、どの年代の魔族からも呼び捨てにされる質だし。
あー、まあ、そんなことは良いや。グラナダ」
ロータスは独り言のように言った。
その時の彼の表情も、リタと同じく、どこか寂しげだった。
「何だ?」
「お前に頼みがある」
「頼み? 何か捜し物か?」
「話がわかるじゃん。
俺がここに連れて来られる前、木立属の魔界メネシスで姉貴と梓族長老のじいちゃんと俺の三人で、平和に暮らしてたんだ。
でもある日、いつものようにじいちゃんに弓矢を使った魔法を教わってたら、突然街にグラサンした金髪兄ちゃんが来て、姉貴にうまい話をしてきた」
「どんなこと?」
「『アノデュース帝王と手を組めば、性能の良い弓矢を用意してやる』と奴は言ってきた。
昔から強い武器に目がない姉貴を、もちろん俺は止めた。
が、姉貴は聞かなかった。
そのせいで俺もじいちゃんもとばっちりを食らい、このざまだ」
ロータスの話を聴き、リタは自分も父上に同じことをしてしまったんだ、と深く反省する。