ガルドラ龍神伝―外伝章―
彼女はロータスの話を整理しながら、聴いた。


「つまり、あなたが捜してるのは、お姉様とお祖父様だね?」


「その通り。


お前も、なかなか話がわかるね」


「実は私も、父さんを捜してるのさ。


彼の名前はランディー。


私のただ一人の肉親だ」


「へぇ、お前とは気が合うな。


よし、俺もお前達と一緒に、アノデュース帝王と戦うぜ」


「よろしくな、ロータス」


二人は旅立ち早々、梓族の弓矢使いロータスを仲間に加えた。


彼ははっとして、付け加える。


「言い忘れてた。


家族の名前だけど、姉貴はベルザンディ、じいちゃんはソートラーラだから。


じゃあ、早く行こうぜ」


ロータスが二人を催促した時、グラナダが待ったをかけた。


彼は、理由を二人に説明する。


「サタンサマナーは、魔族が二人以上いる場合、外に出したままでも行動できるのは、≪最初に契約した魔族≫だけなんだ」


「じゃあ、俺は誰に従えってんだ!」


ロータスは、怒り気味に言った。


それをグラナダが制止した。


彼の説明は、更に続く。


「誰も君を見捨てるとは言ってないだろう?


でも、この灰色のメダルに入れておけば、何かあった時にその魔族を召喚できる」


グラナダの説明を聴き、ロータスは気を落とす。


(つまり、俺はまた封印されるのかよ。


まあ、石像よりはマシか)


「改めてよろしく頼むぜ、グラナダ」


「ああ」


グラナダは灰色のメダルをロータスの額に当て、「梓族のロータス、契約成立!」と大袈裟に叫ぶ。


彼が封印されたメダルは、灰色から緑色に変わり、大きく≪葉≫の字が浮かび上がった。


三人は、これで心置きなく旅ができると思った。
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