ガルドラ龍神伝―外伝章―
第四話:奇怪な屋敷(その二)
グラナダとロータスが、執事追跡作戦を実行してから数分後。――
リタは、ふいに目が覚めた。
彼女は部屋中を見回した。が、誰もいない。
(おや? グラナダ達はどこに行ったんだろう? トイレかな?)
リタは眠れそうにないと思ったのか、上着を着て鬣を結い、額飾りをしてから外に出た。
すると、下の方から声がした。
その声の主は、この屋敷の主人であるディサオン男爵と、その召し使い達だった。
「トートが言ってたことは本当なんだろうな?
この私と手を組み、アノデュース帝国のアズラ女王様に忠誠を誓う魔族がまた一人増えたな」
「はい、今更サマナー達に『Q.A計画』を邪魔できるはずがありませんよ」
「静かにしろ!
お前は声が大きすぎるんだ。
誰かが聴いてたらどうする!?」
(『アノデュース帝国のアズラ女王様に忠誠を誓う者』だって?
冗談じゃない!
例えその対象が私の仲間の中にいたとしても、悪人になんか、絶対に渡すもんか!
『Q.A計画』なんて、絶対私が阻止してやる!)
リタは、この世界でやるべきことがまた一つ増えたな、とも思った。
彼女は男爵達が行ってしまうのを見計らった後、グラナダ達を追う作戦を実行した。
(待っててくれよ、グラナダ、ロータス。あなた達に絶対、追いつくから)
リタは階段の下に向かい合わせについている扉のうち、左側の扉を開けた。
が、開けた途端に彼女は、大量の魔物達に襲われるはめになった。
(くっ! さっさとグラナダ達と合流したいのに、これじゃあ……。どうやら、私の龍戦士としての力を発揮する時が来たようだ。いくぞ!)
リタは、魔物の群れをそのままかわそうとする。が、途中で追いつかれてしまった。いつも穏やかな彼女だが、魔物に追い掛け回されて、遂に堪忍袋の緒が切れた。
「君達! さっきから、私を追い掛け回して……。私に何の用なのさ?」
リタは、ふいに目が覚めた。
彼女は部屋中を見回した。が、誰もいない。
(おや? グラナダ達はどこに行ったんだろう? トイレかな?)
リタは眠れそうにないと思ったのか、上着を着て鬣を結い、額飾りをしてから外に出た。
すると、下の方から声がした。
その声の主は、この屋敷の主人であるディサオン男爵と、その召し使い達だった。
「トートが言ってたことは本当なんだろうな?
この私と手を組み、アノデュース帝国のアズラ女王様に忠誠を誓う魔族がまた一人増えたな」
「はい、今更サマナー達に『Q.A計画』を邪魔できるはずがありませんよ」
「静かにしろ!
お前は声が大きすぎるんだ。
誰かが聴いてたらどうする!?」
(『アノデュース帝国のアズラ女王様に忠誠を誓う者』だって?
冗談じゃない!
例えその対象が私の仲間の中にいたとしても、悪人になんか、絶対に渡すもんか!
『Q.A計画』なんて、絶対私が阻止してやる!)
リタは、この世界でやるべきことがまた一つ増えたな、とも思った。
彼女は男爵達が行ってしまうのを見計らった後、グラナダ達を追う作戦を実行した。
(待っててくれよ、グラナダ、ロータス。あなた達に絶対、追いつくから)
リタは階段の下に向かい合わせについている扉のうち、左側の扉を開けた。
が、開けた途端に彼女は、大量の魔物達に襲われるはめになった。
(くっ! さっさとグラナダ達と合流したいのに、これじゃあ……。どうやら、私の龍戦士としての力を発揮する時が来たようだ。いくぞ!)
リタは、魔物の群れをそのままかわそうとする。が、途中で追いつかれてしまった。いつも穏やかな彼女だが、魔物に追い掛け回されて、遂に堪忍袋の緒が切れた。
「君達! さっきから、私を追い掛け回して……。私に何の用なのさ?」