ガルドラ龍神伝―外伝章―
リタの怒りで、魔物達は少し引いた。魔物の一人が、彼女に言う。
「あの、すみませんが、僕達の話だけでも聞いてほしいんですけど……」
「何だい? 手短にしてよ(なんか、妙に丁寧だな)」
リタは、仕方なく魔物の話を聞いてあげることにした。彼は深々とお辞儀をした。
「ありがとうございます。ところで、あなたのお名前は?」
「私は、砂龍族のリタ(しまった! 私としたことが、敵に名乗るなんて)」
「リタさん……」
魔物達は、急に戸惑った。
(男爵様が言っていたリタというのは、この女のことだったのか……。これだけ強ければ、男爵様のボディーガードとして雇える)
魔物はなぜかリタの前で、薄気味の悪い微笑を浮かべる。
「何がおかしい?」
「僕達は今、男爵様のご命令で、あなたをこの屋敷で下僕として迎えるよう――」
「ちょっと待った! そこだけど、男爵が言ってた《新しい下僕》って、私のことだったのか?」
魔物は、リタの質問に対し、頷く。
「そうです」
魔物が頷いた後、リタは彼らを一匹残らず引っ掻いて気絶させ、縄で縛った。
(これで、しばらく動けないだろう。要らぬ時間を食った。早く男爵の部屋に行こう。グラナダ達が危ない)
リタは、つるつるに磨き上げられた床の上をひたすらに走る。
一方、その頃グラナダ達は、男爵の部屋の前まで来ていた。
「とうとう、ここまで来たな」
「ああ。早く入ろう。……ってあれ?」
男爵達がいる部屋に入ろうとした矢先、ロータスは、この扉が錠も鍵もないのに閉まっていることに気がつく。
「どういうことだ? 錠もなければ、ドアノブもない」
「あの、すみませんが、僕達の話だけでも聞いてほしいんですけど……」
「何だい? 手短にしてよ(なんか、妙に丁寧だな)」
リタは、仕方なく魔物の話を聞いてあげることにした。彼は深々とお辞儀をした。
「ありがとうございます。ところで、あなたのお名前は?」
「私は、砂龍族のリタ(しまった! 私としたことが、敵に名乗るなんて)」
「リタさん……」
魔物達は、急に戸惑った。
(男爵様が言っていたリタというのは、この女のことだったのか……。これだけ強ければ、男爵様のボディーガードとして雇える)
魔物はなぜかリタの前で、薄気味の悪い微笑を浮かべる。
「何がおかしい?」
「僕達は今、男爵様のご命令で、あなたをこの屋敷で下僕として迎えるよう――」
「ちょっと待った! そこだけど、男爵が言ってた《新しい下僕》って、私のことだったのか?」
魔物は、リタの質問に対し、頷く。
「そうです」
魔物が頷いた後、リタは彼らを一匹残らず引っ掻いて気絶させ、縄で縛った。
(これで、しばらく動けないだろう。要らぬ時間を食った。早く男爵の部屋に行こう。グラナダ達が危ない)
リタは、つるつるに磨き上げられた床の上をひたすらに走る。
一方、その頃グラナダ達は、男爵の部屋の前まで来ていた。
「とうとう、ここまで来たな」
「ああ。早く入ろう。……ってあれ?」
男爵達がいる部屋に入ろうとした矢先、ロータスは、この扉が錠も鍵もないのに閉まっていることに気がつく。
「どういうことだ? 錠もなければ、ドアノブもない」