机の上で逢いましょう。
あたしは、シャーペンをペンケースに入れ、
理科の実験を、真面目に取り組んだ。


…―早く。

早く終われ。


実験中、ずっと思っていた。
早く、その人からの返事が知りたい。

だから、早く終われ。


そう考えながら、さっきのポエムをもう一度見た。

何も変わらない。

それは、当たり前なのかも知れないけど、
少し、淋しく感じた。


…ふと、ポエムの下に、
文字を見つけた。

そこには、
『机の住人より』
と書いてあった。

机の住人…。

あたしは、自分が書いた文の下に書き足した。

『机の住人さんへ』


これできっと、
返事をくれるはず。

根拠もなく、そう信じた。


(信じれば、
明日はくるのですか?
運命は、
優しくなってくれるのですか?)


ふと頭に過ぎったポエム。
それを私は、忘れないようにと、メモ帳に書いた。

もう古いそのメモ帳を、
制服の右ポケットにしまい、授業終わりのチャイムを待った。
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