■□ムーンライトエクスプレス□■
私の学校には伝説がある。
夕方五時。校庭の右から三番目の大きな草はマンドラゴラ。
抜いた時に叫び声をあげる、人の顔をした根を持つ変な植物。
その声を聞いたものは死ぬんだって。
私はそれを聴きにきた。
時計を確認。
よし。いくか。
右から三番目。大きな草。あった。
私はそれを躊躇なく両手で力いっぱい引っ張る。
つっかえが取れたようにぬるぬると土から引き抜かれる感触。
「アッーーーー!!!!!!」
響く絶叫。
「……………………あれ?私、死なない?」
「失礼なヤツだな。そんな変な声じゃねぇだろ」
うわっ、意外に気さく。
渋い顔をしたマンドラゴラが「よいしょ、っと」と、尻餅をつく私の横に座る。
「ふー……やっと出れた。嬢ちゃんが一人目だよ。ありがとな」
なんかオッサン臭い。
「何で私は死なないの?」
「なんで嬢ちゃんが死ぬんだ?」
私がマンドラゴラに事情を説明すると「なんと!」と驚いてマンドラゴラはしなしなと落ち込んでしまった。
「そんな伝説になってたのか……通りで誰も引き抜いてくれなかったわけだ……」
「……大丈夫?」
「嬢ちゃん
……ベーブルースって知ってるか?」
「ベーブルース?」
「伝説の野球選手だ。伝説って言っても実際に存在するヤツさ。
そういうのに俺は憧れてな……そんでこの土に潜ったんだよ。そういう伝説になりたくてさ。叫ぶ植物って面白いだろ?子供に人気でるかなって。だから早めの時間に設定したり」
でも失敗したなぁ~、と呟きマンドラゴラは仰向けに倒れる。
なんとなくそれにならって私も倒れ、空を見上げる。
夕方五時。校庭の右から三番目の大きな草はマンドラゴラ。
抜いた時に叫び声をあげる、人の顔をした根を持つ変な植物。
その声を聞いたものは死ぬんだって。
私はそれを聴きにきた。
時計を確認。
よし。いくか。
右から三番目。大きな草。あった。
私はそれを躊躇なく両手で力いっぱい引っ張る。
つっかえが取れたようにぬるぬると土から引き抜かれる感触。
「アッーーーー!!!!!!」
響く絶叫。
「……………………あれ?私、死なない?」
「失礼なヤツだな。そんな変な声じゃねぇだろ」
うわっ、意外に気さく。
渋い顔をしたマンドラゴラが「よいしょ、っと」と、尻餅をつく私の横に座る。
「ふー……やっと出れた。嬢ちゃんが一人目だよ。ありがとな」
なんかオッサン臭い。
「何で私は死なないの?」
「なんで嬢ちゃんが死ぬんだ?」
私がマンドラゴラに事情を説明すると「なんと!」と驚いてマンドラゴラはしなしなと落ち込んでしまった。
「そんな伝説になってたのか……通りで誰も引き抜いてくれなかったわけだ……」
「……大丈夫?」
「嬢ちゃん
……ベーブルースって知ってるか?」
「ベーブルース?」
「伝説の野球選手だ。伝説って言っても実際に存在するヤツさ。
そういうのに俺は憧れてな……そんでこの土に潜ったんだよ。そういう伝説になりたくてさ。叫ぶ植物って面白いだろ?子供に人気でるかなって。だから早めの時間に設定したり」
でも失敗したなぁ~、と呟きマンドラゴラは仰向けに倒れる。
なんとなくそれにならって私も倒れ、空を見上げる。