きみという馬鹿と苦し紛れの愛は高いところがお好き?
「あぁ……あと30秒だ。木田さんには俺は花火になったって言っておいてくれ」
「ああ。汚い花火だったと伝えておこう」
――ああ、笑えない。
そう笑いながら呟いて、岡野は跳んだ。花火というよりまるで人間ロケット。
「おぉ~」とも「きゃー」ともつかないギャラリーの声。
そして時刻は5時34分。爆弾は呆気なく――冗談みたいに呆気なく爆発した。
『どっかーん!!5時34分でーす!!岡野くんッ!誕生時間おめでとう!まさに今ッ!岡野くんは二十歳になったのですッ!びっくりした?びっくりしちゃった?アハハハーどっきり大成功なのかッ!?木田さんの優しさよ!宇宙に届けっ☆』
「………………………………」
「………………………………」
………………さて、電話はまだ繋がってるな。
「よし。岡野。聞こえるな?後悔のあまりオちるなよ?」
「……すげぇや俺の彼女……俺、まだまだ彼女のこと理解してなかった」
安心しろ。あの女の頭の中はたぶんプリンかカスタードかカスタードプリンだから誰も理解できん。
「朗報だ、岡野。お前の真下に俺の新車があるな?」
「あぁ……よく見える。信じられん趣味と度胸だ」
「黙って空中で俺に感謝しろ。とにかくそのまま落ちて俺の車に着地するんだ。中には最高級の抱き心地と評判のセイたんとハルたんシャムたんの等身大抱き枕がおいてある。床には車で生活する為の布団までひいてある」
「…………で?」
俺はとても良い顔で答える。
「あとは受け身だ。高校時代の柔道の授業を思い出せ」
はぁ、というため息のあとに続く岡野の言葉には俺は全面的に同意しておく。彼氏は彼女に似てしまうんだよ。
「なぁ……俺ってバカだよなぁ……」
最後にそう呟いて、岡野は電話を切った。
俺に言えるのはこれだけだ。
「ふぁいと!スーパーボーイ!」
俺の友達の岡野はジャンプ力が凄い。
とにかく凄い。
そりゃもう、凄いったら凄かった。
「ああ。汚い花火だったと伝えておこう」
――ああ、笑えない。
そう笑いながら呟いて、岡野は跳んだ。花火というよりまるで人間ロケット。
「おぉ~」とも「きゃー」ともつかないギャラリーの声。
そして時刻は5時34分。爆弾は呆気なく――冗談みたいに呆気なく爆発した。
『どっかーん!!5時34分でーす!!岡野くんッ!誕生時間おめでとう!まさに今ッ!岡野くんは二十歳になったのですッ!びっくりした?びっくりしちゃった?アハハハーどっきり大成功なのかッ!?木田さんの優しさよ!宇宙に届けっ☆』
「………………………………」
「………………………………」
………………さて、電話はまだ繋がってるな。
「よし。岡野。聞こえるな?後悔のあまりオちるなよ?」
「……すげぇや俺の彼女……俺、まだまだ彼女のこと理解してなかった」
安心しろ。あの女の頭の中はたぶんプリンかカスタードかカスタードプリンだから誰も理解できん。
「朗報だ、岡野。お前の真下に俺の新車があるな?」
「あぁ……よく見える。信じられん趣味と度胸だ」
「黙って空中で俺に感謝しろ。とにかくそのまま落ちて俺の車に着地するんだ。中には最高級の抱き心地と評判のセイたんとハルたんシャムたんの等身大抱き枕がおいてある。床には車で生活する為の布団までひいてある」
「…………で?」
俺はとても良い顔で答える。
「あとは受け身だ。高校時代の柔道の授業を思い出せ」
はぁ、というため息のあとに続く岡野の言葉には俺は全面的に同意しておく。彼氏は彼女に似てしまうんだよ。
「なぁ……俺ってバカだよなぁ……」
最後にそう呟いて、岡野は電話を切った。
俺に言えるのはこれだけだ。
「ふぁいと!スーパーボーイ!」
俺の友達の岡野はジャンプ力が凄い。
とにかく凄い。
そりゃもう、凄いったら凄かった。