君に贈る
エレベーターの扉が開きそっと離れた琉生は私を残してその場を後にした


私は動けなくて


しばらくエレベーターにいた








バーに戻り、カウンターに座る


「沙菜?どうしたんだよ?」


「琉生に何言われた?」


裕と雅喜が心配してくれる


でも私は上の空で


「裕、ビール」


「は?つか話せよ」


私はある一点を見つめ考えた


付き合えっていっといて連絡先も残さず帰る?


有り得ないでしょ普通


でも、どうしてムカつくって言ったんだろ


私歳聞いただけなのに


会ったのも初めてだし


「ねぇ、琉生って何者?」


気付いたらそう聞いていた



裕と雅喜は顔を合わせた後私を見た
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