君に贈る
私は琉生を目を細めて見た


「フッ。そんな顔しても教えない」


そう言って琉生は私の両頬を親指と人差し指で潰した


唇がタコになる


「…」


琉生はそれが面白かったらしく笑い出した


「もうっ」


私は琉生の手をのけて睨んだ


琉生は声を我慢して笑ってる


でも、私は楽しくて堪らない


多分、琉生に恋をした















裕SIDE


俺は変に緊張していた


沙菜と二人で旅行なんて初めてだし


まるで恋人みたいじゃね?


ニヤけるのを我慢して沙菜を待った


ソワソワして落ち着かない


「裕くん!」


声のする方を見ると愛理ちゃんが俺のもとにきた


「どしたの?」


「沙菜、用事で来れなくなっちゃって、代わりに行ってって言われたの」


「えっ‥」
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