君に贈る
「旅行チケットもったいないからって‥迷惑だった?」


ウルウルの目で見上げられ俺は目を逸らしてしまった


「いや‥」


迷惑では‥ないけど‥


俺は目を瞑った


「じゃ、行くか」


「うんっ」


愛理ちゃんをがっかりさせてもいけないしな‥


「ねぇ裕くん」


「ん?」


「裕って呼んでもいい?」


「いいけど?」


愛理ちゃんはすごく嬉しそうに笑った


愛理ちゃんを見て俺も笑った


沙菜なんて最初から裕だったなぁ


なんて思いながら


新幹線に乗り込み窓側に愛理ちゃん、通路側に俺が座った


「楽しみ~」


すごく楽しそうな愛理ちゃん


俺はあまり乗り気じゃない


沙菜だったら‥


「ねぇ裕」


「ん?」


「裕が好きな食べ物は?」


「おやつカルパス」


「フッ」


しまった‥正直に答え過ぎた
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