君に贈る
でも、どうしてわかったの?


「俺帰るわ」


裕は私に背を向ける


「私じゃ不満!?」


「…」


私は浴衣の帯を解く


パサッと浴衣が畳に落ちる


「私裕が好き」


「俺は‥っ」


裕が振り向き固まった


「もう沙菜は諦めて」


「愛理‥?」


「私を見てよ‥こんなにも裕が好きなのに‥」


「ちょっ‥お前何考えてんだよ」


裕は一歩下がり、私は一歩前に出る


「私の心を暖めてよ」


「愛理、とりあえず浴衣着ろ」


「好きで好きで堪らないの」


「‥わ‥わかったから浴衣着ろって」


裕は後ずさりする


そんなに私魅力ない?


裕の背中に壁が当たる


私は裕の目の前に立ち裕を見上げた


「裕、私と付き合って」


「愛理‥俺は‥」


私は裕の言葉を遮りキスをした
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