君に贈る
「「沙菜っ」」


「沙菜ちゃん!?」



私は駆け足でバーを後にする



ビルを出てすぐだった



壁にもたれ立っている琉生を見つけた



「っ‥琉生?」


寒そうに肩を上げた琉生が私に寄り紙を渡してきた


「これは?」


琉生は何も言わずに歩きだす


私は紙を広げた


そこには番号とメアド


私は視線を琉生に向け走った


「待って!」


聞きたいことがある


琉生の前に立ち、琉生は止まった


「私琉生に会ったことあるの?」


「‥」


「答えてよ」


琉生はじっと私を見下ろすだけ


「もしそうならっ‥」


ごめんって言おうとしたのに口を塞がれた


琉生の唇は冷たくて


でもキスは熱かった
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