君に贈る
琉生SIDE

沙菜に頼まれてどいつにするか悩んだ


大概の奴は彼女持ち


そんなとき電話が鳴った


「琉生飲み来いよ」


俺は大きなため息をついて家を出た


いつものバー


いつもの顔


いつもの相手


「琉生」


もう出来上がってる悟


「悟アル中かよ」


「かもな」


俺は悟の隣に座る


マスターは何も言わなくても酒を出してくれる


どんだけ常連なんだよ


「琉生、俺諦めないからな」


「‥」


まだ言ってんのかよ


もういい加減諦めろよ


グラスを取って口に運ぶ


「んで頼みあんだけど」


「ん?」


俺はグラスを置いて悟を見た


「沙菜を泣かせるな」


真剣な顔で言う悟


「あぁ、わかってる」


って、さっきと言ってること違うくないか?
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