君に贈る
「ちょっとお手洗い‥」


愛理にそう伝えトイレに向かった


もう戻りたくない


このまま帰っちゃいたい


私はトイレの鏡の前で止まった


鏡を見ると元気のない顔


どうしたらいいの?


私にどうしろって言うの?


私はしばらく鏡を見つめていた


「はぁ‥」


イヤでも戻らなくちゃね‥


大丈夫、付き合ってるのは私


あの人はもう過去の人‥だよね?琉生‥


あぁ‥それとも、友達?


前の私なら友達って思うだろうな


でも今は元カノにしか見えない‥


はぁ‥


私は嫉妬心に襲われた


トイレを出ると壁にもたれて立ってる悟がいた


「沙菜、大丈夫か?」


「‥」


私はキッと悟を睨んだ


「美里は俺の元カノ」


「‥え?」


悟の?


「でも、琉生の元カノでもある」


「っ‥」
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